
風俗営業者が守るべきルールの中に「従業者名簿の作成」というものがあります。
従業者名簿とは何か、従業者名簿を作成するためのルール等については、他のサイトでも紹介されていることですので、そのあたりの説明は抜きにして、今回は自分が実務の中で経験してきた従業者名簿にまつわる話題について書いていきたいと思います。
従業者名簿関連の行政処分数の推移
「従業者名簿の不備で行政処分を受ける可能性があるので気をつけてください。」とは良く聞かれると思うのですが、では実際にどれくらいの検挙数であるのか調べてみました。
平成31年3月 警察庁生活安全局保安課作成の資料
「平成30年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」
によりますと、平成30年度内における風俗営業関連の行政処分5,506件のうち、34.3%にあたる1,889件が従業者名簿関連の処分となっています。
従業者名簿備付義務 1,351件
従業者の確認義務等 538件
合計 1,889件
「従業者名簿備付義務」とは、名簿自体を作成していない場合は、または不備があった場合、「従業者の確認義務等」については、従業者名簿の作成時や住民票等での確認に不備があったものや、確認資料の保管等についての処分であると思います。
本人確認資料は住民票だけでいい?
法令に定められている本人確認のための資料(住民票記載事項証明書など)は、写真が載っているものが必須とはなっていのですが、「運転免許証等の顔写真付き証明書」+「住民票」で確認を行うお店も多いかと思います。
これは、運転免許証を確認する義務がある訳ではないのですが、「なりすまし」や「住民票の偽造」を防止する観点から、自主的に店舗側が行っているものがほとんどです。
18歳未満の女性が風俗店で働きたいがために、お姉ちゃんや年上の友達の住民票を持ってくるケース、適法な在留資格を持たない外国人が他の人になりすまして働くというケース等で処分を受けた方から相談を受けたこともあります。
そういった事件があった場合、例え店側が「18歳以上だと思っていた。騙された。」と言っても、その通りに信じてもらえないこともありますし、場合によっては営業停止等の処分を受けてしまうこともありますので、ご注意ください。
あくまで個人的な意見ですが、「顔写真付き証明書」+「住民票(記載事項証明または本籍入)」にて確認することをおすすめします。
顔写真つきの身分証明書というと、主に運転免許証になると思います。
運転免許証を持っていない人については、パスポートやマイナンバーカードで代用されると良いかもしれませんが、マイナンバーカードについては、提出する方も確認する方も気が引ける部分はありますよね。
必ず作成すること
このように従業者名簿は、法令で作成が義務付けられていますし、行政処分の対象にもなりますので、面倒くさがらずに作成してくださいね。
- 今日、入社したばかりだから
- 一日だけだから
- 電話を受けるだけのオペレータだから
すべて通用しません。
気をつけて営業してください。
働く側の協力も不可欠
自主規制のルールを設定して、しっかり資料を確認する店は信頼できるお店であることが多いです。
働く側の方々も、「あの店では出せと言われなかったのに、何でこの店では提出しないといけないの?」と言って面倒くさがらずに、どうか協力してあげてくださいね。
以下、過去記事(2012年9月公開)
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2012年7月に、外国人の住民票などに関する仕組みが改正されました。
これまで、外国人登録証だったものが、在留カードや(外国人)住民票等に変わりました。
近い将来、住基カードも発行できるようになるそうです。
それに伴い、風俗業者さんの義務である、従業者名簿に添付しておく身元確認資料が変更になりましたのでご注意ください。
弊社で許可や届出をして頂いた風俗業者さんには、必ず従業者名簿を付けてもらうようにお願いしています。
これは、接待飲食店などの許可業者でも、無店舗型などの届出業者でも同様に作成しておかなければなりません。
警察が調査に来た場合、不備を指摘されやすいのが、この従業者名簿です。
もし風俗業者さんで付けていない、又は不備があるなどの方は、必ず作成して、身分証明書のコピーと一緒に保存しておいてくださいね。
また、従業員が辞めてしまった後も、退職してから3年間の保存義務がありますので、その点もご注意ください。
風俗営業者が守るべきルールの中に「従業者名簿の作成」というものがあります。 従業者名簿とは何か、従業者名簿を作成するためのルール等については、他のサイトでも紹介されていることですので、そのあたりの説明は抜きにして、今回は自分が実務の中で経験してきた従業者名簿にまつわる話題について書いていきたいと思います。